【Cubic Groove!!】
目を瞑って、会場の熱い空気を胸いっぱいに吸い込む…吐き出す。
耳を澄ませなくても、手が届きそうなくらい近くから、自分たちと…冬馬たちを待ってるみんなのざわめきが聞こえる。
今までにないくらい興奮と、緊張で胸がドキドキして…ああ、このステージで『今年イチバンのアイドル』が決まるんだって実感した。
ミーティングも終わって、プロデューサーはもう何も言わずにステージに向かう自分たち三人を見守ってくれてる。
後は始めて終わるだけ、それで全部。だけど…
あのさ、プロデューサー。実を言うとさ、自分には冬馬が言ってた「馴れ合い」っていうの、少しだけ分かる気がしてたんだ。
ちょっとだけ!ホントにちょっとだけだぞ?
ユニットとして、三人一緒に頑張って来たけど、みんなの為にも「自分が頑張らなくちゃ」ってずっと思ってたから。
プロデューサーが居なくなっちゃうって言われて、凄く不安で、「やっぱり、誰かに頼ったりしたらダメなのかな?」って思ってたから…
でも、今はもう、それが違うって分かってるんだ。
それに、プロデューサーが言ってくれたこと…
「あっちが足し算なら、こっちは掛け算だ!」
ってヤツも、分かる気がする。
頼るんじゃなくて、信じればいいんだって。
みんなが頑張ってたから、自分も負けられないって頑張れた。
三人が同じ目標を目指して、同じ気持ちなんだって思ったら、凄く心が暖かくなって、今までにないくらい力が湧いてくるんだ!
三人で三倍じゃない。自分たち三人の力は、そう…
その時ステージの方から、一際大きな歓声が沸いた。
冬馬たち、ジュピターが少し先にステージに上がったらしい。
冬馬は…なんとなく自分に似ている、プロデューサーに会う前の自分に。
この勝負に勝てたら、冬馬たちにも、この気持ちが伝わるかな?
…うん、勝てば、きっと…だから、勝たなきゃだね!
自分たちも、もう行かなきゃ…両手で頬をパンッ、と叩く。
気合いを入れて、プロデューサーに見せてやろう。
プロデューサーが居なくなるのは寂しいけど、それでも自分たちは、信じてるから大丈夫だって。
プロデューサーが安心してアメリカに行けるように…もう二度と、格好悪く泣いたりしないって、証明しに行こう。
憧れていた、輝く舞台に、信頼し合える最高の仲間と一緒に、立つ。
「みんな…お待たせー!!」
それは、なんだか、マンガの主人公みたいで…
だから思わず、自分は叫んだ。
(ヒビキサンジョウ!!/了)
アイドルの青春、といった感じの作品ですね。信頼できる仲間がいるというのは良いものです。個人的には最後の「ヒビキサンジョウ!!」がタイトルでもよかったかもですね。
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ヒビキサンジョウ!! の後の、ファンの大歓声が耳に聞こえてくるようで。心地よい余韻の青春でした
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yura的表記でしょうかw tlopの動画を思い出す構図ですね。
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今まで言えなかったことを言って、それでもお互いが繋がっているんだという確信を持って、そして別れを迎える。こういうのは、思えば確かに非常に青春の王道という気がします。原作自体がそういう構造をしているからなのか、あまりストレートにこれを表現した作品はなかったように思いますが、響の内心を使って上手く描いているなぁと感じました。プロジェクトフェアリーという文脈があるキャラを使うことで、多くを語らずともきれいにまとめているのが上手いなと思います。
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響と冬馬は似たもの同士っぽいところがあると思っていたので、なんかしっくりきました
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ライブ熱いっすね!
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なんとなく、響の後を追いかける美希と貴音が見えた。
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SPサンのソロ響を思い出し、響は2でユニット組めるようになって良かったなーと読んでてしみじみ思いました。悩みを振り切ってステージに飛び出す響が非常に爽やか。青春ですな。
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満面の笑顔でステージに飛び出していき、盛大にすっ転ぶ響の姿を幻視した
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