【再演料と冬の唄】
電車を降り、改札を通過すると、きんとした空気が冬馬の頬を撫でていった。夕焼け色に染まった駐輪場から、自転車を引っ張り出して鞄を乗せる。補習が長引いたせいで、時刻は既に16時半を回っていた。一旦家に帰るか悩んだ末に、バイト先へとハンドルを切る。冬馬を乗せた黒い自転車が、舗装路を駆けていく。 了 成長した冬馬が素敵でした。 ---- 惜しむらくは涙をにじませてしまったことでしょうか。 ---- 冬の日の情景が目に浮かぶようです。亜美真美がいいスパイスになって、冬馬の物語を引き立てていると感じました。これもまた紛う事なき青春の一ページですね。 ---- なんかニヤニヤする。 ---- 青春の話として、そしてアイドルマスター2の二次創作としてすごく雰囲気のいい作品だなぁと感じました。冬馬はエンドロールの後の話が凄く似合う気がします。コンティニューの約束と100円多く渡した亜美真美も、2クレ足りねぇよと去った後で返す冬馬も非常にかっこよく魅力的でした。アイマスがゲームである以上ある種のメタのようにも思わせつつ、でも凄くやりとりとして自然……そんなバランスが余計に三人がウィットに富んでいるように感じさせるのでしょうか。あって欲しい後日談というものをぱっと目の前に置かれたような感覚が凄いなと思いました。更に、読み返していくうちに技量にも感服させられます。最初は「あの連中」とは何のことだろう、となって、「件の連中」「眼鏡のあいつ」でなるほどとなり、そして出てくる亜美真美、というのがすごく自然な誘導になっていて驚きました。また、はじめは「普通」の穏やかな情景が思い浮かんで、然る後に亜美真美が出てきて、穏やかな背景を読者に抱えさせたまま、それを切り捨てないように亜美真美らしい話の動きが生まれているように思います。それがいい雰囲気を作っているようにも。長々と申しましたが、全体として、とてもとても素晴らしい作品だと感じました。 ---- 季節のせいか、今回の企画は秋から冬にかけてのお話が多かったような気がしますね。クレジットという表現を使っているあたり、アケマス経験者の方でしょうか。 ---- ゲームセンターで産声を上げたアイドルマスターというゲームの最新キャラクターである鬼が島羅刹が ---- ゲームセンターで産声を上げたアイドルマスターというゲームの最新キャラクターである冬馬が、ゲーセン文化の所作を継承するという演出の妙にしてやられました。ラストに相応しい一本。お見事です。 ---- 「クレジット」の意味が複数取れるので、断定する自信がないけど、ワンダリングスターの亜美真美ルートで真美が貴音に100円渡したエンドを思い出しました。あちらもアケマスを彷彿とさせるエンディングでしたね。もう一度会う約束を交わすのに使われたアイテム(だと思う)が出てきて、アイマス2の話とSPの話が被って見えたことで、亜美真美の不動性を感じられたという点で、このお話は僕にとって冬馬より亜美真美の方が深く印象に残ったキャラクターでした。 ---- ラストが冬馬とは思わなかった。いい話でした。 ---- チクッた北斗翔太のお節介ぶりと、クレジット不足を指摘した冬馬に、トリオで再起するだろう未来が見えました。あと侵入者の亜美真美かわいい。サラッとランキング上位にいる竜宮小町に時の流れを感じました。 ---- すごく庶民的な、と言ったらおかしいかもしれないけど、普通の学生らしい日常を送る冬馬に、親近感を覚えました。アイドルやって過剰にちやほやされるんじゃなく、アルバイトの形で普通の生活をしてる姿が新鮮でした。素直にいい奴だと感じられる話でした。 ---- アイマス2の後日談として、あまとうにスポットライトが当たったのが嬉しかった。最後の最後でやられた!感はあったものの、締めに相応しい感じがしました。アイドルをやっていた時も青春で、これから先のリベンジも青春なのだろうか。などと考えてしまいました。 ---- 読めて良かった ---- 亜美と真美と冬馬の関係が絶妙。一年前とパワーバランスが変わったことで、P渡米後の、時間の流れを強く感じました。翌年の竜宮小町がハイパー化しているあたりに思わずニヤリ。 ---- 企画のラストを飾るのはどんなものなのか、という期待があったのですが、どっしりと構えた女房役、文句なしの完璧な出来です。青春の締めを受け持つのが冬。美しい。ラストのクレジットの下りが、書きたい事を先行しすぎて若干浮いてしまっているのですが、それも完璧に出来ているが故に、という感じです。いつ公開されるのかとヤキモキされていたでしょうがwお疲れ様でした。そしてご馳走様でした! ---- 2クレ足りねえよ の余韻にやられました。いつか再び、三人でステージに戻ってくることを、思わず願ってしまう程に。 |