【水面】



「彼の担当するユニットのメンバーは、萩原くん、四条くん、高槻くんに決まったよ。」

社長の声を聞いたとき、震える指が止まらなかった。
自分が、かわいくない、女の子らしくないのはちょっと判っているつもりではいた。
でも、何だかんだ言って選ばれる自信はあったんだ。


「おめでとう、これから頑張ってね。」
多分、事務所お祝いは言えた―― と、思う……多分。



あの後、喫茶店でお茶をしながら春香と話をした。

「そりゃ、選ばれなかったのは、やっぱり私にまだそれだけの力がないだろうし……」

春香もやっぱり選ばれなかった事に落ち込んでたみたいだ。
けれど、

「うん、あの3人ならうまくやっていけるだろうし、売れるんじゃないかな。
 ね、どうやって応援したらうまくいくかな?」

自分自身は選ばれなかったって言うのに、身を乗り出して、楽しそうに聞いてくる。

(ねぇ?春香の悔しさはその程度なの? それとももう諦めたの?)


そうじゃない――
          春香は――強い。



日が落ちてきたかな?
いぬ美達の散歩の時間は、悪いけど今日は付き合ってあげられそうにない。
こんな気分で動物と付き合っちゃ、だめだ。嫌われちゃう。


今自分、どんな顔をしてるんだろう?
きっとひどい顔だろうけど、自分もアイドルだ、顔のことは気になる。
もうちょっとで川だから、ちょっといってみようか。

夕方の土手はちょっと肌に寒いくらいだったけど、今の気分ならちょうどいいのかもしれない。



なんで自分は、駄目だったのかな?
かわいくないから?ガサツにみえる?
あの新しくきたプロデューサーの好みかな?


どうせ自分は、

      やよいみたいに、かわいいわけじゃない。
      雪歩みたいに、女らしくもない。
      貴音みたいに、誰からも判るくらい綺麗でもない。


でも、でもさ……でもさ……



水面を覗き込む。
やっぱりひどい顔をしている自分。
あはは……、でも泣き顔もちょっとかわいいと思わない?


「畜生……」

蹴り飛ばした石は川面を何度か跳ねて静かに川に沈んだ。


 いいね。響がやよいと雪歩と貴音と自分を比較する時に、もうちょっと表現に幅があったらもっとよかった。あと川に行くのがもうちょっと自然だとよかったかなぁ

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 むしろ春香さんの方がぶーたれてるじゃないですか!(※拍手絵) ……もとい。むしろキャラクター像が真に接近しているような気がしました。

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 登場アイドルを見ずに読み始めたところ、出だしで一瞬真かと思ったのですが、読み進めるにつれてなるほど響の作品だと思わされました。こういう身内との対抗心や自尊心、「自信はあったのに悔しいなぁ何でダメなんだろう」と落ち込む話は春香でも真でも、美希でも伊織でもなくて響なんだなぁと納得させられます。響の抱える寂しさの垣間見えるお話でした。

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 失敗と挫折というほろ苦い青春の一面です。改行の仕方が特徴的だと思いました。TLの情報から判断するに作者は紫珠Pでしょうか?

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 選ばれなかった響の悔しさが伝わってきました。こういうの好きです。ただ一点、「女の子らしくない」という文章から、彼女は真なのかなと錯覚してしまいました。響の一人称以外に、なにか響らしい語り口のアプローチがあると、一層感情移入しやすくなるのではないかと思いました。

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 こっちが紫珠さんかな

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 いじける響が良かった。もう少し肉付けがあっても良かったかも



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