プロデュースを始めて数年後のPの誕生日。
「ほら、今日ってあんたの誕生日だったでしょ。これプレゼント。」
「おお、ありがとう伊織。毎年悪いね。」
「あらそうだったかしら。ふんっ、あんたも運がいいわよね。
この時期っていつもギフトのフェアをやってるからついついどうでもいいやつの
誕生日なんか思い出しちゃうのよねー。
運の悪い伊織ちゃんは自分の買い物に来てるのについでにその辺の安物なんかも
買っちゃったってわけよ、ついでにね。
去年までもそんなんだったんじゃないの、覚えてないけど。」
「へーそうなんだ。でもありがとう、一昨年もらったこのネクタイピン重宝しているよ。」
「なに言ってんのよ!それは3年前のでしょ!一昨年はそのネクタイでしょ!
って去年の靴まで履いてるじゃない。
やけにぱりっとしたかっこうしてると思ったら、誕生日だからって浮かれてるんじゃないわよ!」
「全部覚えてるじゃないか。」
「な、な、なによー!どうせあんたにやるようなモノなんてその辺の安もんなんだから
どうせすぐ駄目になっちゃうんだから、せいぜい家で大事にとっておきなさいよね!」
「そうだな、特別なときだけ付けて大事に使うよ。
こないだこのタイピンちょっと壊しちゃってさ、店に持っていったら奥から
なんかえらそうな人が出てきて
『お客様、こういった一品ものの特注品は修理の方も相応の費用がかかりますが
よろしいでしょうか。こういったお品は一生物ですのでしっかりお直しすることを
当店としてもお奨めしますが。』
なんて言われちゃってさ、って伊織?もう帰っちゃうのか?
まぁ今日はオフだから特に用事はないけどって、おーい、黙って帰るなよー…」

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